メンヘラと付き合うとどうなる?【メンヘラ彼女と付き合って精神崩壊した話 Part.17】

 

 

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Episode.17【終わり】 

 

しかし同棲生活が始まってから、すれ違いの日々が始まりました。

夜勤で働く僕と、普通に働くユキではあまりにも生活のリズムが違い過ぎました。

顔を合わせるのは僕が帰って来てからユキが出かけるまでの時間

ユキが帰って来てから僕が出かけるまでのわずかな時間のみでした。

それでもバイトから帰って、ユキの寝顔を見るのが楽しみでした。

彼女はプーさんを抱えたまま眠っていて、目を覚ましてからも「バイト行きたくない。」と駄々をこねました。

 

彼女はまだバイト先で馴染めてないようでした。

そんなユキを見送ってから眠りにつく生活に、ささやかな幸せを覚えました。

 

彼女はお店に遊びにはやって来ませんでした。

 

 

 

 


 

同棲生活が始まって1週間。

 

「今日は病院の検査がある。」 

と言って彼女は出掛けて行きました。

15で子宮頸癌を患った彼女は定期的に検査に行っていました。

 

「癌が再発する可能性があるかもしれない。」

そんな不安を彼女はよく漏らしていました。

 

「一緒に病院に行こうか?」

僕は何度か言いましたが、彼女は頑なにそれを拒みました。

 

  

 

机の上には僕の見覚えのない薬が大量に散らばっていました。

 

 

当然そんな彼女の事が僕は心配でたまりませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

幸せは長く続きませんでした。

 

検査が終わってからラインが入りました。

 

 

 

「隼人さん今日話しがあります。」

検査の結果が良くなかったのか、僕は心配に思い、彼女の帰りを待ちました。

 

 

 

 

 

 

 

20時頃、ユキが帰ってきて言いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「癌が再発した。」

 

そう言う彼女は右手に診断書を握りしめていました。

 

診断書を見ても書いてある事は難しい事ばかりで、僕には一切理解が出来ませんでした。

 

 

 

「1ヶ月後に手術がある。」

 

そう言う彼女はどう言う訳か淡々としていました。

僕だけが取り乱していました。

 

 

 

 

 

 

そして、彼女は衝撃の一言を発しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「隼人さん、別れたい。」

 

 

 一瞬、言葉の意味が理解出来ませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 「えっ、大丈夫だよ。一緒に頑張って行こう。オレがユキの事守るから。」

そう言って抱きしめようとすると、彼女は僕の事を突き放しました。

 

彼女の目を見ると驚くほどに冷たい目をしていました。

 

 

 

 

 

「えっ」

僕は何が何だか分からないまま呆然としました。

 

 

 

 

「本当、そう言うんじゃないからごめん。」

彼女は冷たくそう言い放つと身支度をし始めました。

 

 

 

 

 

 

「一緒に頑張ってくって決めたじゃん!これから一人でどうするんだよオレ!」

 

 

 

 

「それはごめん。」

 

感情の起伏の無い言葉で彼女は答えました。

 

 

 

 

 

もうバイトに行かなきゃいけない時間でした。

 

 

 

 

「とりあえずちょっと待てって!バイトから帰って来たらまた話そう!」

 

 

 

 

 

「分かった。」

 

 

彼女がそう答えると、僕は錯乱した感情のままバイト先に向かいました。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

当然仕事になんか手がつきませんでした。

僕は気持ちを落ち着かせる為、何度もタバコに火をつけました。

ようやくバイトの時間が終わって急いで家に帰りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

玄関ドアを開けると彼女の姿はありませんでした。

 

 

彼女が持って来た洋服やシャンプーも、いつも抱きかかえていたプーさんの姿もありませんでした。

 

 

 

電話をすると着信音だけが虚しく宙を舞いました。 

 

 

メンヘラちゃん

メンヘラちゃん

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Part.18へ続く

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