アラサーホストになる【エピソード6 家出少女】

 

家出少女   

 

その後、アフターでホテルに行って、すぐに眠った。 

 


 

当然家出してきた彼女に、行く当てはない。

しかも台風直撃で、記録的な暴風雨だった。

外に出たら立ってるのも辛いレベルで、ファミレスもドンキすら閉まっていた。

 

何故こんな日に僕は、強烈な雨風に吹かれながら、この子と街を彷徨わなきゃ行けないのだろうと思って猛烈に帰りたかったのを今でも覚えてる。

  

「1人になるのが怖い」と言われたが

流石に行く当てがないので、彼女をネカフェまで送り届けて帰った。

 

後々あゆむちゃんにその事を報告したら「一緒にいてやれよ!」と怒られた。

 

僕にはもう関係無いし、面倒を見るのも嫌だったし、なんやかんや後は自分でどうにかするものだと思っていた。

 

しかし、「明日もあの子来るでしょ?」

とあゆむちゃんに言われた。

 

家出して来て、住む場所も仕事も無く、放り出されている人にホストに通う余裕があるはずない。

当たり前に、この状況でもっと優先するべき事がある。

 

普通に貧乏そうだし、心配だったので、所持金も聞いていた。

残金は5万円で、来週前の職場の工場の給料が15万くらい入ると言っていたので、とりあえずはなんとか生きていけるんだなと思ったくらいだ。

 

仮に自分が同じ状況だとしたら、今ホストに行くはずが無い。

 

だから、てっきりそれきりになる物だと思っていた。

 

しかし、それは一般的な考えで

ベテランホストのあゆむちゃん的考えからしてみれば全然違ったのかもしれない。

 

「明日もお店においでよ」

これは非常識なラインだな。

と、重々承知した上で送った。

 

当然

「この状況で行ける訳ないじゃん」

的なラインが返ってくる物だと思っていたが

 

当たり前のように

 

「行く」

と返って来た

 

自分がおかしいのかな?

と思った。

 

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ホストにハマる人の心の闇

 

彼女は聞けば、小学校、中学校、いじめられていて、不登校だったらしい。

 

「そりゃそうだよな」と思った。

 

その後の人生の事を聞いても、騙されたとか、居場所が無いとか、不平不満ばかりだった。

 

心に何かしらの傷を抱えた人間ほど、信じられる人を見つけた時、強烈に依存する。

 

いわゆるホス狂いの心境も大体そんな所だと思う。

 

もちろん、その間には「金」が存在し、「嘘」で塗り固められた上辺の世界だ。

言ってしまえば、ホストの目的は売り上げを上げる事だけだから、そこを甘い言葉でどう上手く「騙す」かでしか無いし、それがホストの仕事だ。

 

もちろん正常な人もいるが、そう言う人はある程度通ったら飽きるか、どこかのタイミングで夢から覚めるか、ストレス発散だと割り切って遊びに来てるか、単純に金を持て余してるかのどれかだと思う。

 

ホストからして見れば、そんな風に割り切った考えで店に来てくれる客の方がもちろん楽だが、そう言う人は気分で来るので当てにならない。

 

依存してしまう人で正常な人ははっきり言ってほとんどいない。

しかし、依存してくれる人ほど売り上げを支えるのが事実だ。

  

 

 ーーーエピソード7へ続くーーー

 

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先輩のゆうせいさんとの写真。

この人も中々面白い人だったので、どこかのタイミングで触れていきたいと思う。

この頃僕は「ぶら下がりピアス」さえ付けとけばなんと無くそれっぽいだろ。

と、言う安易な考えで、毎回ぶら下がりピアスを付けてたけど、今見ると違和感しか無い。

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