アラサーホストになる【エピソード9 初ナンバー入り】

 

初ナンバー入り

 

それからと言う物、N子は毎日働いた。

途中、稼げる店に移ったりしながら毎日働いて、毎日店に来てくれた。

 

「私が隼人さんの事をNo.1にする!」

と、よく言っていてくれたから、その時にはそれが彼女にとっての生き甲斐だったんだと思う。

 

「そんなに無理しなくてもいいよ」

 と言ったら

 

「隼人さんに会わなきゃメンタルがやばくて」

 と、言った。

 

申し訳ないが、一種の麻薬的依存だ。

 

自分が誰かにとって、そんな存在になり得るなんて思いもしなかった。

しかし、エピソード6でも触れたけど、ホストたるもの依存させるが勝ち見たいな側面があるのも事実だ。

 

こちらから営業をかける事はほとんど無かった。

 

ごはんも一日おにぎり1個で我慢して、家賃と携帯代を除いた残りの金、全てをホストにつぎ込んでいたと思う。

 

その頃には家も決まっていて、都内の方のシェアハウスに住み始めた。

立川からだと、終電が11:40分に来る。

終電を理由に家に帰す事が出来るから助かった。

 

それでも定期的にわざと終電を逃して、一緒にいたいとか、お泊りしたいとか甘えてきたけど、それはほとんど交わした。

 

 


 

うちの店では売り上げ上位6名までが、ナンバー入りとしてパネルに貼り出される。  

需要が少ない立川で客を何十人も抱えているホストはいない。

 

客が10人いて一人が月に5万円使ってくれるより、客が一人で月に100万円使ってくれた方が当然いい。

それだけでホストの生活は成り立ってしまうし、うちの店ならナンバー3以内を狙える。

結局は少ない人数を囲って、どれだけ売り上げを上げられるかが鍵になる。

 

そんなこんなで、当時20名ほどいたキャストの中で僕も、入店4ヶ月目にしてナンバー載る事が出来た。

 

ギリギリのNo.6だけど、僕が入店してからバイトでナンバー入りをしたのは僕だけだ。

もちろんほぼほぼ、それもN子のおかげだった。

 

 

 

 

 

 ーーーエピソード10へ続くーーー 

 

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No.のパネル

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