アラサーホストになる【エピソード21 ホストクラブと緊急事態宣言】

 

ホストクラブと緊急事態宣言

 

4月。

この頃は言うまでも無く新型コロナウイルスが流行し、テレビでから流れてくる情報は専らそればかりだった。

 

真っ先に自粛の対象となったホストクラブは当然煽りを受け、新規の客はほとんど来なくなり、指名の客も遠のいた。

何度も言っているようにホストの売り上げの大部分を占めているのが水商売の女の子なので、同様に煽りを受けている彼女達が稼げなくなったのも大きな要因だ。

 

4月半ばから5月末まで緊急事態宣言が発令され、営業はほぼ停止になった。

 

僕は良くも悪くも会社員なので、収入が無くなる事はなかった。

ただバイトが出来なくなっただけだから大した打撃ではない。

先輩のレギュラーホスト達はただでさえ生活苦な中、休業になり、生活が出来なくなり各々がバイトを始めたり、お客さんから小遣いをもらったりして生活を凌いでいた。

 

会社も週に2回だけの出勤になって久しぶりに時間をもてあました。

 

 

代表からはこの期間でどれだけ客を離さないでいられるかが課題だと念を押された。

ホストを始めてから本当に頑張った。

それこそお金を使う暇も休む間も一切ないまま、かけぬけた気がした。

ここに来てプツンと糸が切れてしまった。

 

僕は休むと決めた。

やりとりをしていた何人かの客にもほとんどラインを返さなくなった。

寝たいだけ寝て、好きな事をしてダラダラ過ごした。

緊急事態宜言が出ていたこの頃には、出かける所もなかったので、それはそれで普通の過ごし方だったのかもしれない。

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A子とだけは連絡を取り合ってちょこちょこ会っていた。

今までは友達感覚で接していたけど、この頃には恋人のような関係になっていて、指名変えをしたいと言うような事は一切なくなっていた。

 

と言うか、休業に入る前に、うるはさんが飛んだのでそもそもの話しではあった。

友達営業のままでいたかったのに、雰囲気的に彼女がそう言う物を求めていないのを察した。

このままで行くのは無理そうだと思ったので、僕も切り替えた感じだ。

 

いわゆる「本名営業」って奴だ。

ホストの営業方法は何種類かあって、代表的なので言えば「色恋営業」とか「枕営業」とか「友達営業」とか笑

本命営業は客兼、恋人見たいな感じだ。

まあ、この辺は追々別の記事で説明したいと思う。

 

当然、そう言う関係な訳だから嫉妬が剥き出しになっていて日に日に束縛も激しくなっていた。

 

水商売の店には大体裏サイトがあって、ホストにもホスラブと言う掲示板がある。

何故こんなサイトが産まれたのかは分からないけど、ホストからしたら本当に営業妨害にしかならない邪魔な掲示板だ。

まあ、どこの店もそうだと思うんだけど、うちの掲示板は専らホストと客の悪口で溢れていた。

あいつはブスとか、つまらないとか、誰とでも寝るとか、セックスが下手とか。

誰が書いているのか知らないけど、本当に見ていて気分が悪くなるものばかりだ。

そんな掲示板に書き込んでいる人はよっぽど可哀そうな人だと思う。

 

当然僕の事もちょくちょく書き込んであって、よく言われていたのが、「あいつは宗教」とか「スピリチュアル系の頭おかしい奴」とか意味が分からないものだ。

まあ、そんな事はどうでもいいんだけど、「隼人にこんな営業された」とかも書いてあった。

 

「こんな事が書いてあった」

とホスラブのスクショをA子は送ってきた。

別に僕からすれば気に留めるほどの事でもなかったんだけど、彼女は何を言ってもどんどん激高して最終的にはリスカをするから、そうさせないためにも嘘をつくしかなくなっていった。

 

ウソをつくやつはクズ見たいな風潮があるけど、嘘をつかせる方にも問題があると思う。

ウソをつかざる得ない状況まで追い込ませるのが悪い。

 

ようは他の女と少しでも関わるのが許せない訳だ。

そんなのホストじゃなくても厳しい。

 

まあ、ここまで読んで頂いた人の大半が僕の事をクズだと思っているだろうし、それを否定するつもりは一切ない。

僕はクズだし、自分の不徳の一切を棚に上げた上でこの記事を書くと決めた。

 

 

 

 

ーーーエピソード22へ続くーーー

 

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