アラサーホストになる【エピソード26 ホストクラブとコロナウイルス】

 

4月に最初に緊急事態宣言が発令され、それからもコロナの影響が長引き、店は更に苦しい状況に陥っていた。

長年勤めていた従業員も殆ど辞めてしまい、残りの従業員は8人くらいしかいなかった。

 

まともに出勤している人はもっと少なくて、僕は週2回くらいしか出勤していなかった。

残ったからと言ってモチベーションを保てる者も少なく、状況は厳しく、たまに出勤しても客は1組、2組しかいなかった。

 

入った当初、ナンバーにに載る為に頑張ってきたけど

この時は月に数回しか客を呼ばなかったけどNo.に載り続けていた。

 

 

コロナによって淘汰されたホストクラブ

 

2021年1月

2度目の緊急事態宣言が発令されて、この時に店が潰れた。

コロナに勝てなかった。

 

ちなみに、コロナの影響でたくさんのホストクラブが潰れた。

無法地帯の歌舞伎町はさておき、立川に3店舗あったうちの2店舗が潰れ、八王子にあった2店舗が潰れた。

もちろん歌舞伎町でもたくさんの店が潰れたらしいけど、新店舗もたくさん出来ていてそれはコロナ以前日常の事だと思う。

 

経営ギリギリの弱小店はコロナによって軒並み淘汰された感じだ。

 

もちろんうちの店は感染対策はバッチリやっていたし、客にもキャストにもコロナは出ていない。

キャストの一人一人が、もっと結果を出せていればこんな事にはならなかった。

20年以上続いた老舗の店に、僕達の代で終止符を打ってしまった事が悔しかった。

 

何だかんだ言っても、ずっと潰れずに持ってきたのだから、これからも続いていくものだと信じていたけど、1年半続いた僕のホスト人生は突如として幕を閉じた。

結局No.1になる夢も叶わなかったし、まともに頑張れたのはコロナになる前までだから1年も無い。

 

No.1だった、mioさんとほむらさんは歌舞伎の有名店に移籍した。

 

「一緒に行こうよ!」

と言われたけど、とりあえずは断った。

色々決断出来ない材料が多い。

二人とも歌舞伎町に行けばすぐ売れると思うし、同業もありだし、今度会いに行きたいと思う。

その後の話しを聞くのが楽しみだ。

 

うちの店は年齢層も高かった事もあり、それ以外の人は水商売を上がると言っていた。

一人はずっと指名してくれていたエースと結婚するみたいな事を言っていたけど、どうだかは分からない。

 

 


   

最後の営業日には、常連客と昔の従業員とかが集まって飲んではしゃいだ。

 

「今までありがとう」

客も従業員も、これまで関わってきた人殆どが意外な事にそう言ってくれたのが嬉しかった。

 

寂しい思いもあるけど、みんなどこかほっとしていたようにも見えた。

 

「ようやく終われる」

そんな感じだったのかもしれない。

 

 

 


  

A子とは、辞めた後も少し付き合ってから別れた。

僕も何だかんだ彼女の事が好きだったけど、関係は徐々になだらかになっていて、意外な事に平和的お別れが出来た。

察するに、他に男が出来たような感じだった。

ホストなのかどうなのかは知らないけど、そんなこんなで僕に冷めてきたいたのかもしれない。

募る所女性っていうのは意外とそういうものなのかもしれない。

 

「もう会うのは辞めよう」

と、言うと「今までありがとう」と言ってくれた。

 

楽しかったで終わらせるのは悔しいけど、ホストを始めて1年半、苦しい事やしんどい事もたくさんあったけど、たくさんの出会いと経験に恵まれて最高に楽しかった。

ここまで頑張ってきた自分を褒めてあげたいと思う。

 

 

最後まで愛読頂き有難うございました。

 

 

---fin---

 

 

 

 

 


  

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